2021年3月11日、東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所事故から10年を迎えます。

「3.11から丸10年~あの時、今、そして未来~」と題して、こおりやま広域圏で活動されている市民活動団体にお話を伺いました。

NPO法人ウィメンズスペースふくしま

代表理事 後藤 美津子さん(写真右)
理 事   苅米 有希子さん(写真左)

(あの時)
後藤さん 活動の経緯は、2007年7月に任意団体「女性の自立を応援する会」を設立し、郡山市男女共同参画センターで活動を始めました。東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故の発生に伴い、郡山市にあるビッグパレットが避難所となりました。

私達も、避難状況の改善のために運営に参加し、避難所でのプライバシーが保たれていない状況の改善を図るために他団体と協力して、女性専用スペースの開設・運営を行いました。

翌年、内閣府主催の「女性のための電話相談・ふくしま」や託児付き茶話会「ママ友さろん」の事業の担い手として依頼を受けました。

これを機に、より女性がDVや様々な性差別に苛まれずに安心して暮らせる地域社会の実現をミッションに掲げNPO法人になりました。

(今)
苅米さん 震災から、10年が経ち相談者に寄り添うことで、感謝の言葉をいただくこともあり、非常に大切な活動です。
(そして未来へ)
NPOとして重要な社会課題の解決には、予防教育の重要性を痛感しています。今後は、若年層の相談や教育機関と連携し、DV防止、男女平等社会に向けたプログラムの提供をしていきたいと考えています。

NPO法人ウィメンズスペースふくしま
〒963-8875
福島県郡山市池ノ台16-5 クライネシュロス206号
TEL/FAX 024-953-6255
Mail nwsf206#yahoo.co.jp(’#’を’@’に変更してご利用下さい)
Web https://nwsfukushima.jimdofree.com/(外部リンク)
FBページ  NPO法人ウィメンズスペースふくしま(外部リンク)

NPO法人FUKUSHIMAいのちの水

代表理事 坪井 永人さん

(あの時)
坪井さん 東日本大震災が発生した際に、私は牧師としての所用で東京におりました。翌日、超教派による災害支援緊急援助隊「アガペーCGN」が組織されました。

私は、3日間かけてなんとか郡山に戻り、アガペーCGN福島県支部として、全国からの救援物資を県内浜通り、名取、仙台へ届ける活動を行いました。

5月になると被災3県の中で福島の状況の違いが見えるようになりました。多くの親御さんから、子どもへの放射能に対する不安の声が聞こえはじめ、子ども達を救う活動を継続するためにNPO法人を設立しました。

2012年5月より郡山駅の近くの教会で、水や食料などの定期配布を始めたのですが、希望者が増え続け、500家族を超えるようになりました。受け入れ物資を増やしながら、駐車場の問題も含め、移動先を探すこととなりました。

2015年4月より、現在の逢瀬町で配布を継続し行っています。現在は、毎月、約800家族の利用があります。また、2014年に東京にあるフードバンク(ハーベスト・ジャパン)と連携し、フードバンク事業にも取り組んできました。元来、フードバンクは、キリスト教会に根差した何千年も続く、民間のセーフティネットです。

県内の企業などへ、子どもたちのために食料品の提供などの支援を呼びかけましたが、厳しいものでした。

そこで食品ロスの視点に注目し、大企業に向けて、備蓄品を引き受けるという内容で打診したところ、大きな反応があり現在につながっています。

(今)
震災から10年が経過し、設立当初から助成金活用の弊害を感じ、持続的な活動に向けて、NPOならではの協力者・ボランティアメンバーを募って参りました。民間の立場で、自由に声を出せることが大切ですね。

(そして未来へ)
10年の間に様々なことがありました。問題にぶつかる度に、知恵を絞り、情報を集め、考え・行動してきたのは、ひとりの子のいのちを救うためです。震災の時に生まれた子どもたちが成人するまで継続していきます。

特定非営利活動法人FUKUSHIMAいのちの水
事務所
〒963-963-0107
福島県郡山市安積町1-3-5

配布所
〒963-0213
福島県郡山市逢瀬町多田野宮南67-1 サンタ蔵
TEL 090-7079-5011
FAX 024-983-1838
Mail fukushimainochinomizu#gmail.com(’#’を’@’に変更してご利用下さい)
Web http://www.fukushimainochinomizu.com/(外部リンク)
FBページ  https://www.facebook.com/fukushimainochinomizu(外部リンク)

藤沼湖自然公園復興プロジェクト委員会

委員長 深谷 武雄 さん

(あの時)
深谷さん 東日本大震災が発生、地震により藤沼湖の本堤が決壊し、内陸でありながら、極めて大きな犠牲を出した水害事故となり、全国ニュースでも大きく取り上げられました。

この震災のダメージで壊れた地域の絆をなんとか取り戻せないかと2012年9月に復興プロジェクト委員会を立ち上げました。当初は、反対の声などがありました。そうした声も踏まえた上で、復興へ道標となるものは見えていませんでしたが、前に進んで行かねばならないと強く感じたのです。

2013年には、藤沼湖の改修工事前に「藤沼湖の湖底を歩く会」を開き、地域の住民に向けてイベントを開催することにしました。事前に委員などで開催した下見会をした際に、水の無い湖底に群生している植物を発見したのです。

「紫陽花ではないか」藤沼湖が出来て60年間、湖底に沈み眠っていた紫陽花を畑に移植し育てることにしました。これは私たちの復興プロジェクトのシンボルになるのではないか、期待と祈りを込め「奇跡の紫陽花」と名付けました。

その後、新たな取り組みとして実施した「奇跡の紫陽花」の里親募集は、全国ニュースで報道され、北海道から沖縄までたくさんの里親希望の申し込みがありました。

(今)
震災から10年経って感じるのは、この10年間は、私達にとって必要な時間だったということです。

(そして未来へ)
今後に向けて、新たに出来た大切なつながりを持続し、「奇跡の紫陽花」のストーリーを伝えて続けていくことが重要です。そして、次代の子ども達に私達の経験から学んだメッセージ「備え、支え、伝え」の想いを繋げていきたいと思います。

藤沼湖自然公園復興プロジェクト委員会

〒962-0203
福島県須賀川市長沼金町85番地 長沼商工会内
TEL:0247-67-3121