SDGs新春座談会-SDGsを「自分ごと化」し活動のヒントをつかもう- 座談会拡大版

2030年までの世界共通の目標であるSDGs活動に取り組む市民活動団体の方々に、活動を進める中での課題や現状についてお話しをいただき、SDGsの活用の輪を広げるために座談会を開催しました。本記事は、広報誌「あしすとぱぁく」第67号「SDGs 新春座談会」掲載記事の拡大版です。

座談会実施日:2021年12月10日(金)

座談会出席者紹介

発達障がい児 凸凹発達児 子育てサポートLino

代表 佐藤 舞さん

発達障がい児 凸凹発達児 子育てサポートLinoの代表をつとめさせていただいております佐藤 舞と申します。私たちは、発達障がい児の子育てをしているママ達が「孤独な子育て(孤育て)」 にならないようにコミュニティ活動、発達障がいの啓発活動などを行っています。よろしくお願いいたします。

Instagram  https://www.instagram.com/lino.happysmile/

Facebookページ  https://www.facebook.com/lino.happysmile/

NPO法人福島県環境カウンセラー協会

会 長 相楽 昌男さん

こんにちは、NPO法人福島県環境カウンセラー協会 会長 相楽 昌男です。郡山に住んでおります。環境省登録の環境カウンセラーや環境問題の専門家など15名で組織しております。環境問題などのカウンセリングを中心に活動を行っています、よろしくお願いします。

Webサイト 

http://fec.jyoukamachi.com/index.html

本宮市空き家プロジェクト「扉宮」

代表 宮川 幸子さん

本宮でアート活動を行っています宮川 幸子です。大学で学んだ社会と人をアートでつなげるチャレンジとして昨年より、本宮市内で空き家を活用したイベントやアートプロジェクトを行っています。

年齢や性別、国籍など様々なものを超えて、表現することを目指しています。よろしくお願いします。

Instagramページ

https://www.instagram.com/tobiramiya/

寺子屋郡山

会 長 富田 孝志さん

私どもは、2014年から、現在まで、毎週土曜日、中央公民館で学習支援を行ってまいりました。現在まで、延べ300名を超える生徒たちに、勉強を教える活動を行ってきました。

メンバーは、現在は、21名所属しており、教員を退職した者や現職の教員、家庭の主婦、民間の会社をお辞めになった方、住職、元議員さんなど様々な方が関わっておられます。毎回、それぞれ都合の良い方が参加するような形で無理のない範囲で活動しています。

NPO法人うつくしまNPOネットワーク

理事長 樋口 葉子さん

福島県のうつくしま未来博成果継承基金を財源とした、日本で初めてとなる公益信託(うつくしま基金)の創設、運営サポート組織として平成15年3月14日NPO法人として設立しました。

福島県内で活動するNPO活動団体(ボランティア団体、市民活動団体、NPO法人など)の活動を促進する中間支援(インターミディアリー)組織として、支援活動などを行い、市民自らが考え行動してゆく活力ある社会づくりを目指し活動しています。

公式Webサイト 

http://www.utsukushima-npo.jp/

樋口葉子

それではまず最初に「誰一人取り残さない世界」をつくるための、人類共通の目標であるSDGsについて、知ったきっかけを教えてください。また、SDGsについての、感想やお考えをお聞かせください。

佐藤 舞さん

私が、SDgsを知ったきっかけは、2019年に内閣府のSDGs未来都市及び自治体SDGsモデル事業において、郡山市がSDGs未来都市に選定されたことがきっかけだと思います。

最初は、世界的に広まっている活動と聞いてもピンとこなくて、私たちとは遠い印象だったのですが、いろいろ調べて勉強してゆくうちに、実は、私たちの活動にとって身近なものだと感じました。

相楽 昌男さん

私は、2015年の国連でのサミットの時点で知っていました。その際は、以前に発信されたアジェンダ21やMDGsなどの言葉が印象に残っていて、2030アジェンダについてはあまり印象に残っていませんでした。

最近では、テレビや新聞などでSDGsについて良く聞こえてくるようになり、自然環境課題も含め、仲間と学習し始めたところです。その中でも、「だれ一人取り残さない」という言葉が印象的で記憶していますが、「開発」という言葉には、今でも若干の違和感のようなものを感じています。

富田 孝志さん

SDGsを知ったのは、国連で採択されて、メディで報じられすぐに知りました。活動とのつながりという点では、活動を始めた方が早いのであまり、意識して活動しているということはありませんでした。個人的には、SDGsでは訴えられていませんが、人の様々な能力を埋もれさせてしまうことが大きな社会的な損失ではないかと感じています。子どもたち一人一人の能力を最大限引き出すような育て方をすることが最も大切なことだと感じています。

宮川 幸子さん

私がSDGsを知ったのは、学生時代に大学のリノベーションの講義の中で、SDGsの言葉が出て来て、環境に良いことや自然と共生した建物を作るということを聞いたことが初めてでした。

最近では、ユーチュウバーの方が、2030年には、これを達成していないとまずいことになるんだよ~というようなことを頻繁に聞くようになり、私も興味を持つようになりました。

樋口 葉子

皆さんの活動の中で、17あるSDGsのゴールのどれに一番、関係がありますか?また、一番関心があるSDGsについて、どんな取組を、具体的に行っていますか?

相楽 昌男さん

私の所は、気候変動の13番「気候変動に具体的な対策を」です。そこから波及するものが多くあり、例えば農作物や生態系のインパクトからなる飢餓災害が増える。そのことによってインフラや貧困、それがまた教育や経済にまで悪影響となってつながって行きます。

私たち福島県環境カウンセラー協会では、2016年から気候変動の学習会や省エネの企業診断・アドバイスを含め、環境マネジメントの普及活動、地域への教育プログラムとして、自然の観察会、生態系などを学習する事業などを行っていて、一般の方へのSDGsの入り口として、関心も高く、参加もいただけるようになっています。

先月も、外部講師に依頼し、オンライン形式でSDGs学習会を実施したところです。

富田 孝志さん

私どもは、4番「質の高い教育をみんなに」が該当します。

実際に行っていることは、少し違います。というのは、今の日本の小学校・中学校ほとどんがそうなのですが、子どもたちを一律に扱うんですね。まったく同じことをさせています。ところがこども達は、持っている能力や興味など一人一人全部違うんです。例えば、学校に行っていても、わかりすぎて授業の面白みがないとか、逆にわからなくて面白くないとか、教えることが一人一人にマッチしていないと感じます。

そういうところを困っていることども達がいたら、なんとかしようということが、そもそもの活動のきっかけでした。それを実際にやってみると、おいでになっている子どもさんの9割方が、実は勉強ってとっても楽しいと言ってくれます。やはり、自分でわかるようになることは楽しいことだと実感し、子どもたちが非常に変わっていくのを実感しています。

SDGsというのは、単に教育をみんなにというだけではなくて、もっと質の高い教育とはどうあるべきなのかを考えながら、一人一人の能力を開発し伸ばしてゆくところを社会的に作って行かないと大変な損失だなと思っています。

宮川 幸子さん

私たちは、5番「ジェンダー平等を実現しよう」というところに興味があるんですけれども。

現在、LGBTQなどという言葉が頻繁に聞かれるようになってきましたが、私自身、ジェンダー問題に関しては身近に感じています。

昨年開催させていただいたファッションショーには、ジェンダーを超えて、好きな服を着るという想いも込めて実施しました。地方は、その辺の理解や浸透度が弱いかなと感じています。アメリカのある街を訪問した際に、街中にレインボーフラッグが掲げてありとても素敵な街だと印象に残りました。この雰囲気を地元の本宮とか、福島に持って帰りたいなとの想いで、現在活用している空き家にもレインボーフラッグを掲げています。

今後ももう少しジェンダーの社会課題を意識した世界をアートとして、音楽や演劇、文学などを絡め、どれだけ表現して行けるかということをテーマに、他の団体主催のイベントなども含め、多くの方に向けて、巻き込んでいけるように取り組んで行きます。

佐藤 舞さん

私たちの活動からみて、SDGsはたくさんあてはまる部分があるのですが、10番「人や国の不平等をなくそう」と16番「平和と公正をすべての人に」です。一番ということなら、10番の方が嵌るかなと思います。

様々な取り組みがある中で、毎年、4月2日が世界自閉症啓発デーということで発達障がい児の正しい知識と理解を深めて、様々な人たちが共存できる社会をつくろうと啓発する取り組みを行っております。

また、発達障がい児を育てる保護者が孤立しないように必要な情報を発信し続ける取り組みにも力を入れて行きます。

樋口 葉子

SDGsに関する活動を行う場合/進めていく際、どんな課題がありますか?

相楽 昌男さん

まだ、始まったばかりですから課題といったものは見えていませんが、SDGsの「SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS」のロゴの中にGoalと書いてある部分がありますよね。日本では、目指しましょう!という意味で使われていますが、ヨーロッパなどでは、最初にゴールがあってそこにいくために今何をすべきかという取り組み方が大切だと感じています。

後、もう一つは、ここに来てSDGsを急に言い出したように感じますが、実際の活動が伴わない見せかけだけの表現も目立つようになりました。そのようなことをSDGsウォッシュと呼ばれ、今までと同じ事やっているだけで、SDGsやってますとアピールすることだそうですが、正しく広げてゆこととみんなを横につないでゆくことが必要だと感じます。自分たちだけが突出して行うのではなみんなつながりながら、進めて行くことが課題だと感じます。

富田 孝志さん

私は、SDGsで一番大事だと思うのは、取り組みの中で感じるのは、いろんな人がいろんなことで社会のために自由に活動できることが、実は一番大切だと感じます。

市民一人一人が社会のことを考え活動しようとしたときに課題となってくるのが、様々な規制が自由な活動を阻むのではないかと思います。例えば、公の場所が自由に使えない、活動の方法がわからなかったりなどがあります。

SDGsを広めるためには、様々ながんじがらめになっている規制や規則などを市民の活動のためにもっと柔軟に自由にやれるようにつなぐためのソフトウェアが実はあまり確立されていないと感じます。行政機関がしっかりと自分たちの仕事上の都合だけを考えてがっちりと固めているということでは、このSDGs活動が動かないんだろうと思うんですね。ですから、規制規則は最小限にとどめ、もっと自由に活用・活動を進めていくためにもっと柔軟にやれるような形で市民と行政が一体となって良い方向に進めて行くことが今の日本には求められているのではないかと思います。

私たちの活動の場合は。むしろ行政の協力をいただき、郡山市教育委員会と郡山市の協力を頂きやりやすい環境になっておりますが、他の団体の皆さんの場合は、必ずしもそうではないのではないかと思います。

宮川 幸子さん

課題ということですね。

若者が知る機会がもっとあるといいなと思っています。高校生とかだと授業の中で学ぶチャンスもあって、具体的に調べたりすることで更に具体的になるということがあると思いますが、成人し社会に出た若者にとってSDGsがもう少し具体的になればなぁというように思っていました。SDGsの項目全部を一人で自力で覚えて理解して行くのは、ちょっと難しいと感じます。

先ほど、質問をしてくださったように、何に興味がありますか?というような話をしながら貴方にはこれが良いのではないかというようなカウンセリングというか相談のような具体化して進められるような仕組みがテーマごとにあったらもう少しいいのかなと感じます。そう意味では、今日参加出来てとても光栄ですし、すごくいい時間になっているなと感じています。

佐藤 舞さん

発達障がい児を育てて行く環境というのは、まだまだ深刻な孤独化から抜け出せていないと感じていまして、最近では、SNSの活用が進んではいるのですが、必要な情報をキャッチしていただくまでに課題があるように思います。対象者の皆さんへの情報伝達の課題ですね。そうした皆さんへ活動や情報をスマートに届けるにはどうしたら良いかと日々、アプローチ方法など我々も悩んでいる状態で、未だ大きな課題となっています。

樋口 葉子

現在、SDGsは、福島県でも大分盛り上がって来ました。しかし、私たちの身の回りでは、中々、取り組みとして広がっていないように感じます。 SDGs活動に取り組むために大切なキーワードとなる「自分ごと化」をどのように進めれば良いのでしょうか、また、そのために工夫出来ることなど、一般の方がどうすれば良いか、アドバイスのようなことがありましたらお願いします?

相楽 昌男さん

最近は、あらゆるところで横文字が使われる機会が増え、消化不良というかわかりにくい表現を良く聞くのですが、やはり、具体的な実際に行っているのことをいろいろな人と話し合うことによって、気づきというのがいっぱいあると思うんですよ。

そういう意味では、体験型であったり、実践的なものだったり、実際にやっているところに一緒になって、参加してみることで自分の中に入ってくるのではないかと思います。そこがスタートとなり、自分達の活動と他の団体との活動が実はつながっていることがわかったりするということを実体験として気が付きました。

私たちの団体の環境カウンセラーのメンバーのほとんどが、一つだけではなく、様々な取り組みを行っています。例えば、先ほどもお話ししましたが、環境のことを行っていると農作物のことやフードロスなどの福祉分野に繋がっていくことは自然なことです。そうしたつながりづくりは、頭で理解するより、実際に体を使って参加して理解することが大事かなと思います。

富田 孝志さん

どのように進めれば良いのかについては、活動をしてて感じるのは、SDGsの言葉そのものは、認知度があがり動いているんですが、例えば子供に関わるような活動をしようとするとまずは、保護者の方がその人たちは果たして信用できる人たちなのか?という心配があります。本当に子どもを預けて大丈夫なのか。

私どもの活動を見に来られて、同じような取り組みをしてみたいんだと言って戻っていざ、活動をしようとすると貸してもらえる場所がないという声を聞きました。いくら趣旨を説明しても中々理解していただけないというようなことだったりケースがあって、SDGsの言葉ほど地域社会がSDGsになっていないことを感じます。

もう少し使いやすい柔軟な形で市民活動などに提供できるようになる必要があるのではないかと感じます。自治体とか国とか、もっと変わって行く必要があるのではないかと思います。そのためには、市民が呼びかけて行くことではないでしょうか。縦割りの枠を超えて、横のつながりで解決してゆくような柔軟な運用が必要ですね。SDGsを本当の意味で進めて行くのはこれからのように思います。

樋口 葉子

一人一人の呼びかけが必要だということでしょうか。

富田 孝志さん

数が必要なのだと思います。一人一人が出した声をまとめること、「力」にしてゆくことではないでしょうか。その上で、行政の行う部分と私たちが行う部分の住みわけが出来て、協働という形につながってゆくのではないでしょうか。

樋口 葉子

そうですね、NPOは、参加と協力により市民が集い活動する中で組織として物言える立場を確立するということが大切だということですね。ありがとうございました。

宮川 幸子さん

SDGsを知っている方々と知らない方々に差があるのではないかと感じていて、もっと身近にSDGsを感じるためには、例えば、テレビやYOUTUBEで発信しているインフルエンサー的な方たちをゲストとして迎えて、学べる機会をもっと作る、お金とかがそんなに発生しないような取り組みをもっと行う必要があるのかなと感じます。そうすると、著名人やインフルエンサーの意見を聞いて、SDGsを知らなくても、若者ももっと触れ合える機会が増えてゆく、興味を持って自分ごとになるのではないかと思うので大切なことかなと思いました。

SDGsの言葉は、すでに全国に行きわたって認知は高まっていますので、地域の枠を超えてシェアして、自分ごとになる下地は出来ています。それぞれの課題や活動をシェアし、お互いに行き来できて、更に循環の輪が広がるようなことにもつながるではないでしょうか。

先ほどの取り組む層が限られているというお話では、行政の方々がいいなと思う人たちと若者がいいなと思う人たちの差も出てくると思うので、もう少し、マーケティングの精度というか、調べる必要があって、若者やお子さんを育てている世帯の方々への、ターゲットを見極めて、マッチするような人を選び、発信するような会や活動があると良いなと思います。

それで、新たにYOUTUBEチャンネルを開設したり、面白い要素を取り入れて行った方が届きやすいものとなるのではと思いますし、福島県だけじゃなく、他県の方々からも興味を持っていただける取り組みとなるのではないでしょうか。

佐藤 舞さん

関わっている皆さんなどからSDGsのお話を聞くと名前はわかるけれどもハードルが高くて、一歩が中々踏めない、自分ごとではないという状況を感じます。

先ほどから、皆さんがお話されているように、ハードルを下げて、身近なところで、楽しませるようなきっかけづくりから知ってもらう取り組みからはじめたらいいのかなと思います。

私たちは、子どもへも届けるためにそうしたことを意識して、試行錯誤しながらアプ ローチをしているところです。

樋口 葉子

(佐藤舞さんへ)本日は、お子さんもいらっしゃるのですが、ご自身のお子さんとお話したり、学校関係とかでの話などはしていますか?

佐藤 舞さん

そうですね、昨日話していたのですが、下の子が、「今日はSDGsの勉強をしてきたんだ!」って教えてくれました。まだ、具体的な部分はそんなに進んでいないようですが、例えば「ご飯を残さないようにしよう!」から始まって楽しそうに話してくれました。

「大人の人も、もっと楽しいことを知って欲しいね」と話してくれて、私自身もあらためて、楽しみがないと知りたいと思うことも難しいと感じました。子どもと同じようにわかりやすい入口があって、具体的な活動に繋げて行くアプローチが良いのかなと思います。

本屋さんへ行くと子どもたちにとっては、漫画が一番入りやすく、SDGsをテーマにした本など読んでくれます。私たちも、SDGsとタイトル付けするのではなくコミュニティ活動の中に上手に混ぜて雑談などに繋げれるような工夫が良いのではないかと子どもから学びました(笑)

樋口 葉子

市民活動の中でという視点でへは無く、一般の私たち一人一人が入りやすくする工夫というか、宮川さんが話してくれたようなご意見は他にありますか?

相楽 昌男さん

私自身、仕事をしていた現役時代は、自然については、あんまり興味が無かったんですよ。仲間に怒られちゃうかな(笑)

それでも、私は、趣味というかいろいろな活動に顔を出すのが好きなのですが、その中で、13年間、逢瀬川でずーっと川でゴミを拾っておられる方と出会いまして、何か無性に川に入りたくなりまして、たまたま、そこに石巻の川塾という活動をされている方にリバーマスターという制度があってというお話を聞いて、学びまして、地域で川の指導者として、地域で活動しなさいと言われて、ゴミ拾いをし始めたのですが、川には生き物がいて、自然があってと様々なことに気が付き興味が広がっていきました。そうすると買い物をするときに食材を見ても農家の方がつくるイメージが沸いたり、余った場合の処分、ゴミの流れなどに波及して考え、想像力が広がって行くのだと感じるようになったものです。

一つは、やはりいい体験をすることで共有し話し合い考え広がることが役に立つのだと感じます。その時に同じ趣旨というよりは、多様な人たちと一緒にいることでイメージの広がりがあるように思います。

現在ですとプラスチックごみを減らすためにプラスチックの買い物袋を使用しないというようなことも、SDGsですし、昔で言えば、料理する鍋を持って食材を購入するようなことがありましたね。豆腐なども容器を持って買物しましたね。昔の方がSGDsでしたね。(笑)

富田 孝志さん

産業構造そのものがプラスチックありきで発展してきたのですよね。経済性を高め、それを使用しないでは成り立たないほど浸透しています。ゴミを少なくしましょう、プラスチックを減らしましょうだけではだめなんだと思います。抜本的に法律や施策で対応してゆく必要があることは明確ですね。国民に対してSDGs推進を言うならば、国も同じ方向で進む必要がありますよね。私たちの活動云々ではどうしようもない部分もあります。

樋口 葉子

ここでご案内をさせてください。

郡山市市民活動サポートセンターでは、SDGsを学び活動とするため手掛かりとして、『未来を変える目標 SDGsアイディアブック』(編著:一般社団法人Think the Earth)を皆さんにお勧めしています。その著者であります一般社団法人Think the Earth 理事兼プロデューサーの上田壮一氏によるオンライン講演会「SDGsとソーシャルデザイン」を2022年2月5日(土)に開催します。皆さんも是非、ご参加ください。

申込受付フォーム https://assistparkkoriyama.net/festa/tokubetukouenkai/kouen_form

樋口 葉子

新春座談会ですので、来年に向けた抱負などをお聞かせください。少しずつ広がりを見せているSDGsですが、どんな取り組みを計画していますか?

相楽 昌男さん

はい、個人的なところでは、スーパーなどでも地域にフェアトレードコーナー(※)などの興味深い店舗やコーナーが出来てきています。消費者のライフスタイルを先に変えるのか、生産者が変えるのか?どちらが先にということなら、消費者がライフスタイルを変えることがもっとも効果的であり、インパクトが大きいのだと思います。最近、何を買うのでもそうしたことが気になって考えるんですよ。マイブームというのでしょうか。(笑)

団体として私たちは、NPOという社会的な役割があり、ミッションの達成に向けて社会を変えて行く使命があると思っています。しかし、単独で活動してゆくには、そろそろ限界ではないかとすごく感じていまして、先ほどの富田さんがお話された活動場所や活動費の問題なども解決することが出来る方法の一つとしても有効だということで、SDG17番の横の連携でつながってゆくこと、違う活動や違う組織と共通の話題というか、お互いが交錯するポイントを検討して取り組んで行くことが出来るんではないかと考えています。そうした取り組みを増やしてゆきたいと思います。その時にSDG17番のパートナーシップという意味は、非常に重要なってくると感じています。

誰一人取り残さない社会をつくるためには、一人の価値観で見るのではなく、多様な価値観で見て、多様な活動をしてゆくことでしょうし、自分が出来なければ、やっている人を応援すればよいですし、こちらで困っている部分を声に出して届けて応援を頂けるようになることが必要だと会員同士で議論し始めたところです。私たち一人一人と地球は繋がっています。環境分野の専門家として、来年は、様々な分野の企業や団体、地域の方へ呼びかけてゆくことをして参ります。

(※) フェアトレードは、貧困格差を無くし公正な社会づくりのため、発展途上国の生産者と流通を担う団体・企業が適正な価格や条件で行う取引や輸入事業を行うこと。 フェアトレードによる輸入品であることを伝えることでSDGsに向けた大切な取り組みの一つとなっています。

佐藤 舞さん

そうですね、今後も、発達障がい児を育てているご家庭が孤立しないように取り組みを続けて行くこと、発達障がい児に関する知識を理解までにはいかなくとも、知っていただくことが出来る機会を増やし、発信して行きたいなと思っています。

様々な人が共存できる住みやすい地域になればいいなと思っているので可能な活動に取り組み続けて参ります。そして、元気にやって行きたいなと思っています!よろしくお願いいたします。

富田 孝志さん

来年というか私たちの活動を可能な限り続けて行きたいと思っています。

私どもは、法人化しておりません。任意団体の形で取り組んでいます。法人化してしまうと法人運営のための組織の維持に力を削がれる部分があると考え、なるべくお金をかけずに長続きする活動にするために、運営などは法律に縛られずに活動が出来ればよいので、現在あるような行政との協力関係を維持し、たくさんの子どもたちへサービスが出来るようにして参ります。

最初に申し上げましたが、すべてにつながることなのですが、それぞれ個性と特徴のある子どもたちを能力に応じて、一人一人をレベルアップしてあげられる育て方というのか、そうしたことを目指して参ります。

宮川 幸子さん

はい、来年はですね、私事なのですがまだ、福島にいるかどうかわからなくて。

一同(笑顔)

本宮で活動を続けたいというのはあるんですが、その上で大きな舞台やイベントでSDGsを掲げて発表のようなことができるといいのかなと思います。

全国どこでもSNSなどで繋がりながら、仲間づくりを進められますし、そうしたイベントを開催出来たらなと思います。SDGsをどかんとテーマにするよりは、コラボテーマとして掲げながら、その時々のメインテーマに添えて出来るようにしたらいいのではないかと思いました。

SDGsというワードを出したときに「わっ!」とびっくりしちゃう人もいるように感じますので、そこをうまくゆるやかな導線を考えて、行った先で目に付くような工夫ができたらなと思います。

本日は、参加させていただきありがとうございました。

樋口 葉子

SDGsの取り組みが進んでいくために、私たち一人一人が自分ごと化する大切さを皆さんにお話しいただきました。

今後も、子どもたちの未来に向けての取り組みとして、SDGsの17の目標の達成に向け、本日お集まりいただきました皆さんの活動の持続と地域での輪が広がって行くことを願っています。本日は、ありがとうございました。

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