NPO法人サーチドッグふくしま

NPO法人サーチドッグふくしま

紙面には書ききれなかった、持続可能な運営のヒントを含めた様々なお話を掲載しました。

災害救助犬の活動をはじめようとしたきっかけを教えてください?

私が初めて犬を飼ったのは、30年以上前のことになります。当時は、犬をペットショップやブリーダーさんから購入するのが一般的でした。ドラマのように、犬は賢くて飼い主の言うことを何でも聞いてくれるものだと、漠然とイメージしていたことを覚えています(笑)。 しかし、実際に犬を飼ってみると、犬はきちんと育ててあげなければいけないことを学びました。しつけに悩んで、ドッグトレーナーさんの助けを求める飼い主さんも少なくないようです。

私が頼ったドッグトレーナーさんは、警察犬や盲導犬の訓練をされていた方でした。阪神淡路大震災の少し前、全国のドッグトレーナーの間で、災害救助犬を育成しようという新しい動きが始まった頃だったんです。 ちょうどその頃、私は山岳救助隊の活動をしていて、ドッグトレーナーさんからお話を聞いて、とても興味を持ちました。そして、同じようにそのトレーナーさんに犬のしつけを頼んでいた人たちと集まり、私たちも災害救助犬の活動を始めようということになったんです。

地域の皆さんからの協力の輪を広げるコツ

NPO法人になる前の時代が長かったので、賛助会員というような畏(かしこ)まった形ではなく、訓練場所の提供や活動費の寄付・募金などをいただき、見知った関係の中で少しづつ増えていきました。

例えば、地域の防災訓練など様々な町へ伺った際に、デモンストレーションなどで私たちの活動を伝えてきたのですが、そのうした場で私たちの活動に興味を持ってくださったりする方々から様々な協力をいただいています。

コツとか工夫とか意識したものでなく、私たちの場合は、地域に出かけて行って、防災訓練などの場で災害救助犬活動を紹介してきただけなんですが、そのおかげで長い期間の活動を通して、運営を継続するための様々な組織的基盤が出来上がってきたように感じます。

30年以上活動を続けて来た中で、外に出て様々な方へ伝えて来ましたので、ボランタリーの理念で活動する私たちを応援したいという気持ちが積み上げられてきたように思います。また、相馬に伺った際に、震災で飼っていた馬を亡くされた方と話す機会があり、災害救助犬の活動についてお話ししました。その方にご興味を持っていただき、今では私たちの団体の主要メンバーとして活躍してくださっています。

救助犬は普段どのようにしているのですか?

救助犬は、普段、私たちメンバーの自宅で飼っているわけで、皆さんのうちの犬・猫ちゃんと変わらずに過ごしています。

メンバーと今後やろうかと話しているのが、ホームページ等で普段の災害救助犬の紹介をすることです。私たちの家の中で過ごす様子などを公開することでより親しみを持っていただけると期待しています。